残業が多いブラック企業ばかりだから、Webデザイナーはやめとけ?

残業が多いブラック企業ばかりだから、Webデザイナーはやめとけ?

ネット上のしくじり先生達が様々な理由で「Webデザイナーやめとけ」と言ってる内容を分析していくシリーズ、今回は「残業が多いブラック企業ばかりだからやめとけ」という趣旨のアドバイスを取り上げます。

今回も対象読者は未経験からWebデザインに挑戦しようか悩んでいる方々や、駆け出しWebデザイナーの方々です。

この記事のだいたいの内容は次のとおりです。

  • Webデザイナーはたしかに残業が多い業種であり職種である
  • ただし残業代も支払われているのでブラックではない
  • フリーランスなら作業の効率化で利幅アップも可能

では、一緒に検証していきましょう。

やめた方がいい人

  • 社員や常駐としてWEBデザインに携わりたいけど、残業は嫌だという人

残業が好きな人は少ないと思いますが、少しの残業もしたくないという極端な残業嫌いであれば、Webデザイナーはやめておきましょう。

Webデザイナーに向いてる人

一方、次のような人であれば残業についてはそこまで気にしなくてOKです。

  • 多少のサービス残業なら問題ないという人
  • 残業代が出るなら、ある程度の超過労働は問題ないという人
  • フリーランス、在宅での業務委託を考えている人

検証「Webデザイナーは残業が多い仕事なのか」

就業意識やライフスタイルに関する調査で有名なパーソル総合研究所が発表している資料の1つに、残業が多い業種に関するものがあります。

業種・職種別残業実態マップ──どの業種が、どのくらい働いているのか – パーソル総合研究所(※1

残業が多い業種について(出典:パーソル総合研究所)
残業が多い業種について(出典:パーソル総合研究所)

この中だとWebデザイナーは情報通信業に該当します。(上図では赤い丸の真ん中あたり)残業時間が多いが残業代が支払われている業種ですね。これは安心材料です。

デザイナーは残業代がでやすい傾向

同じくパーソル総合研究所が発表している資料に、サービス残業と残業時間が多い職種に関するものもあります。

残業が多い職種について(出典:パーソル総合研究所)
残業が多い職種について(出典:パーソル総合研究所)

Webデザイナーが該当する「デザイナー、各種クリエイター」は月の平均残業時間が35時間以上で、サービス残業率は40%以下となっています。(上図だと一番上にある3つの職種の1つ)

業種で見るよりも悪化していますね。グラフをもとに業種と職種を比較してみます。

月の平均残業時間サービス残業率
業種)情報通信業約25時間25%〜30%
職種)デザイナー、各種クリエイター約35時間( +10時間 )35%〜40%( +10% )

なぜ業種と職種でこのような差が生じてしまうのでしょうか。具体的な調査内容を見ないと正確な事は言えませんが、情報通信業には情報サービス業やら通信業やら様々な業界が含まれていることと、「デザイナー、各種クリエイター」という十把一絡げな職種のまとめ方が原因でしょう。(陶芸家や画家なども含まれていると予想)

いづれにせよ以下のように悲観的に考えておけばOKだと思います。

  • 月の平均残業時間は25時間〜35時間
  • サービス残業率は25%〜40%

そも、ブラック企業とはなにか

ブラック企業という言葉自体は厚労省が定義している言葉ではありませんが、厚労省の公式サイトにこのような記述があります。

① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

「ブラック企業」ってどんな会社なの?|Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省(※2

きついですね……。要約すると「残業させまくるくせに、給料は払わないし嫌がらせもしてくる」ということですね。わお。顎がガクブルです。

そう考えるとWebデザイナーは、業界的に残業は多いですが残業代が払われることも多いので、ブラック企業が多いとは言えません。単に忙しい会社が多いのです。

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かつてはWebデザイン制作会社にブラック企業は多かった時代もあります。しかし確実に減ってます。転職・離職しやすい職種なので、そんな企業体質では会社が続かないという背景もあります。
昔を知っている人や、昔のことしか知らない人は、今でもブラック企業が多いと言いますが、そのようなデータはありません。
ソイラテ編集部 PERRY

みなし残業とは何か

ただし、みなし残業という制度には気をつけましょう。正式には固定残業代制度です。これは悪徳な仕組みではありません。しっかり社会に認知されている制度ですが、給料明細を見てから初めて聞くと「まじかよ……」と思う人が多いので、事前に知っておきましょう。

要は「月◯◯時間分の残業はあらかじめ給料に含めておきますね」というものです。ポジティブ解釈すれば、残業しなくても残業代がもらえるということです。ネガティブに解釈すれば残業しても◯◯時間までは基本給のうち、ということです。

サービス残業(サビ残)とは違います。

私が所属していた会社では20時間までは基本給に含まれていました。みなし残業にしていい時間は最長45時間という上限があるので、20時間か30時間ならよくある話です。

残業なんてないよというブログは鵜呑みにしないこと

調査中に「この業界にもう残業なんてない」と書いているブログが幾つかありました。おそらく彼らは残業のない・少ない会社にお勤めなのでしょう。しかし、少ない事例を以て、業界全体から残業がなくなっていると主張するのは早計です。

残業はあります。

むしろ忙しい業界&職種だから未経験から始めてもチャンスがあるんです。

そのあたりは将来性について考察した記事にも書いてあるので、興味あればどうぞ。

まとめ

社員・常駐希望の人は、残業はあるものとして、残業代が付くかどうかを事前にチェックしましょう。その際に、みなし残業時間がどの程度基本給に含まれているのかも調べましょう。

フリーランスの人は、時間給ではない事が多いので、客先常駐でなければ残業という概念はありません。新人時代は作業効率が悪くて当たり前ですので、時間をかけてクオリティを担保することになると思えば、労働時間は決して短くないでしょう。ただし時間とともに改善もしていけるので、希望はあります。具体策として、そのうち「脱・労働集約型Webデザイナーのススメ」みたいな記事を書いていくつもりです。